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企画特集

福井の皆さんに聞いた家族思いの家

 多くの人にとって家は生涯最大の買い物。「3回目にしてようやく理想の家が建てられる」という“格言”もありますが、人生の中でそう何回も経験できることではありません。そこで参考となるのが、家を建てた人のアドバイス。最近5年以内に家を建てた県内の男女7人に集まってもらい、「家族思いの家づくり」や「こうしておけば良かったという点」をテーマに話し合ってもらいました。

座談会:人物紹介

家族が集う場所 LDKを開放的に

(司会)―今回のハウスナリーの巻頭特集は「家族思いの家づくり」をテーマにしています。皆さんの家づくりの中で「家族思い」の部分を挙げてください。

A夫

家族思いですか…。私は5年前に建てたんだけれど、そのころはやり始めた対面キッチンや広いLDKを導入したことかな。以前の住まいが市街地にあり、その当時は家の中で家族がくつろげなかったので。

C夫

うちも前は狭い賃貸にいて、男の子2人が窮屈そうに遊んでいた。新しい家では伸び伸びさせてやりたかったので、LDK+和室で25畳の広さを確保。リビングの窓を全開すれば、デッキと前庭を合わせ、全体で40畳の大空間に!

一同

おおー。

C夫

子どもにとっては、ちょっとしたブルペンぐらいの長さに感じるのか、兄弟同士で家の中でキャッチボールをやるようになりましたが…。

B夫

私もほぼ同じ発想。敷地が50坪とそう広くない中、なるべくファミリースペースを広くとりたかったので、仏壇などが置いてある客間(和室)をリビングとつなげた。間取りは大成功だと思う。

G子

私の家も、家族が集まる場所をつくりたかったので、22畳くらいのLDKをつくりました。窓も大きくしたし、家全体でも一番のこだわりポイントと言えるかも。

D夫

僕も、常に家族の顔が見えるようにリビングとダイニングをつなげたことかな。

―皆さん「家族への思いはLDKにあり」、ですね。

F子

うちは、階段をリビング近くに置いたことや吹き抜けが「家族思い」の点。子どもが2階に行くときも顔が見えるし、上にいても気配が伝わるし。家族間の会話が増えるかなと。

E子

わが家は、家中のドアに小さいドアを付けたこと。

一同

???

E子

わが家の犬と猫が、自由に出入りできるように。私たちもいちいち開け閉めしなくていいし、人間もペットも幸せです。

―ワンちゃんもネコちゃんも、家族の一員ですよね。

住んで気付く点 「えいやっ」も必要

―次は、「こうしておけば良かった」という点があれば。

D夫

…「成功したポイント」とかじゃなくて?

G夫

強いて言うなら、1階の収納。洗濯した衣服を2階まで持って上がるのが面倒で、ハンガーを掛けるスペースとか、洋服を片付けておけるような場所をもう少しつくっておけばよかったなと。今は1階の押入れに何とか収容していますが…。 E子:収納はポイントですよね。私は軒をもっと深くしたかった。敷地の制約もあったけれど、軒をしっかり作っておけば夏はもう少し涼しいだろうなと。分かってはいたんだけど…。

C夫

うちは換気をしやすいように、浴室や洗面所の窓をルーバー型にしておくはずが忘れてしまった。家っていろんなことを決めなきゃならないので、そうやって抜け落ちることが何かしらある

一同

あるある。

D夫

僕は身の丈に合った家ができたと思う半面、お金をしっかりためておけば、もう少し余裕のある間取りにできたのにという思いはあるかな。

F子

私は逆に親と同居する可能性がゼロではないと思って、寝室を6畳から8畳、和室を4.5畳から6畳にして当初計画より大きな家に。その分、今は掃除とローンが大変(苦笑)。

―建物以外では何かありますか。

B夫

うちは駐車スペースをもう少し大きくしておけば良かった。2台のうち1台は隣地と建物の間の狭い場所に入れなければならないので、毎回ちょっとしたストレス。車を実際にカーポートに入れてみて初めて、ドアを全開できないことに気付いた。

A夫

うちも自転車の置き場所を作っておけば良かった。子どもの3台分だけでも、かなりのスペースが必要なのに、計画段階ではまったく気が付かなかった。それと玄関脇の物置。コストを考えやめておいたんだけれど、やっぱり必要だった。新築するときに「えいやっ」って作ってしまえばよかった。もう一つ付け加えると、工務店から「ある程度固いので(やってもやらなくても)どちらでもいい」と言われた地盤改良を、きっちりやっておけば良かった。最近大きいな地震があったので、なおさらそう思います。

次建てるなら? 踏襲か一変か

―では、次のテーマは「今度建てるなら、こんな家」。

C夫&D夫

僕ら、建てたばかりなんですけど…。

C夫

まあ、土地が今のままなら、さっき話したような点が修正できればOK。

D夫

僕も基本は今の家のアイデアで、もう少し広く。もう一度同じ建築士に担当してもらいたい。

―2人とも今の住まいに結構満足されているようですね。

E子

私も今の家に大満足していますが、お金があれば数奇屋づくりで建具にこだわったぜいたくな家。

G子

私も次は「オール和」の住宅をつくってみたい。

A夫

次回があったとしても、木の家ということは変わらないと思う。

B夫

今よりもう少し庭の広い家、かな。

F子

私は子どもが巣立った後の夫婦の家として、今度は趣味を優先させた間取りにしたい。

―「今度建てるなら」という質問の答えも十人十色。家づくりの“正解”は施主さんによって全然違うということでしょうか。だからこそ「3回建てれば…」みたいな言い方をするのでしょうね。家づくりは奥が深いですね。

「古くなる」楽しみ 人間関係も重要

―みなさんの家づくりを振り返って、成功したポイントや自慢できる点を教えてください。

D夫

きたきた、その質問!

G子

どんな家をつくるかも大事だけれど、まずは土地選び(立地条件)が重要。私の場合、家の周りは静かだし、公園も近いし、満足度が高いです。家づくりでいえば、キッチンや洗濯機などの水回りを集中させることができたこと。家事をするのに移動が少なくて済んで、とっても楽です。毎日のことですから。

C夫

うちは勝手口に設置したSKシンク。子どもの泥汚れを落とすのに、毎日大活躍しています。土間で脱がせてしまうので、家の中が汚れないし、特に男の子がいる家はこの配置はお勧めです。

―水回りは思案のしどころですね。

B夫

わが家は先ほども言ったけど、客間(和室)を普段使いできるようにした間取り。

E子

私は家の外側を杉の板張りにした点。とても落ち着くし、気に入っています。これから年月を経て風化していく姿が楽しみ。

A夫

私も杉板や珪藻土(けいそうど)などの自然素材を使った空間はお気に入りの場所。最初は白っぽかった柱や壁のスギ材が今は茶色に変わって、とてもなじんだ感じになっています。

―「経年劣化」と言ってしまうと、寂しい感じですが、「味わい」は年月とともに増していきます。家の一つの楽しみ方ですよね。

D夫

自分が良かったと思うのは、まさに「家づくり」の間、頻繁に建築現場に顔を出して大工さんと仲良くなったこと。僕らは結局、人の造った物に住むわけで、大工さんや建築士との信頼関係は、建てた家の満足度の高さや安心感につながった。

―コミュニケーションは重要ですよね。それとできれば建築中は、D夫さんのようにある程度現場に顔出しして工事の進捗を確認しておくといいですよね。

D夫

チェックするといっても、神経質になりすぎるのはよくないと思います。打ち合わせの際、業者さんが話した内容を毎回、一字一句聞き漏らさずメモをとっている施主さんの話を聞いたことがあるけど、業者さんからすると「信頼されていない」と映るかもしれませんし。

F子

人間関係という点では、地鎮祭や建前といった節目のときに、近所のあいさつ回りをしておいたのが良かった。入居後の良好な近所づきあいにつながったので。それと、成功というか、ラッキーだったのは地盤改良する必要のない土地だったので、用意していた費用50万円が浮いたこと(笑)。土地選びは立地だけでなく「地質」も重要だと。

一同

50万は、デカいね。

F子

もちろん、その分のお金はブラインドなどの備品代に消えていきましたが…。

悩み所の業者選び 行き着くのは「人」

―多くの人が悩むのが家づくりのパートナー選びだと思います。まずAさんから、その業者に決めた理由を。

A夫

地元工務店。子どもの肌が弱く、自然素材の木の家を建てることを決意。そういう家づくりをする会社の中で、社長の人柄がいいと薦められたところにお願いしました。

F子

地元工務店。私も「自然素材を重視した家づくり」と決めていたので、早い段階から自然素材を得意にしている県内の1社に絞って話を進めました

―当初から“銘柄指定”というわけですね。

F子

ただ、ほぼ1社に絞って進めていたため価格交渉らしいことをしませんでした。自然素材だし仕方ないかなと思っていたら、親族が「この間取りでその値段は高い」と言い出し、最後はかなり大人数で価格交渉した(苦笑)。

G子

大手メーカー。決めた理由は、大手ならではの安心感。後はアフターフォローの良さかなあ。営業マンの質も高かったと思います。

D夫

地元工務店。親族が工務店をやっていたので、自然な流れで。でもその会社の建築士さんと感覚が合ったのはとても良かった。もし「そこで建てなければいけない、でも気に入らない」という状況になったら辛かっただろうなと。

B夫

大手メーカー。大手ならではの信頼感から決めました。大手を選んでよかったことは、借り入れの際にいい条件提示をしてもらったことと、スタッフを含めた万全の体制。

―「この会社なら任せてもいい」という安心感ですね。

C夫

建築家。設計やデザインに期待した面はもちろんあったんだけれど、現場監理を任せられる「代理人」として建築家をパートナーに選んだ。知り合いになった建築家が何人かいたので、その中から感性や価値観に共感できた人に決めた。

E子

建築家。自分たちの感覚をきちんと理解してくれる、共感してくれる人だと思ったのが選んだ理由。プラスアルファの提案も期待してお願いしました。

―どこで建てるかといっても、結局は「人」ですよね。工務店やメーカーを選ぶ場合だって、そこに信頼できる人がいたということですから。今回はさまざまな観点から家づくりに関する意見がいただけたと思います。みなさんの意見やアドバイスが、これから家づくりを始める方の役に立つといいですね。本日はありがとうごいました。

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